2011-01-01から1年間の記事一覧

誇れるほど「ほどほど」でもないが

石田衣良が、インタヴューでこんなことを言っている。 傍線部分の中で、「損を誇れる人間に」という箇所は悪くない。 損をして「誇る」のも大げさだが、いつも「損をしたくない」→「得をしたい」という生き方をしていると、なんや「金のために生きとるんかい…

「要不要」以前の問題

福島原発事故以来、明らかになってきたことは、今の技術では原子力・核エネルギーは「管理」できない、ということだ。(いや!こんなことはすでにわかっていた!それをついごまかされてきたことを真剣に反省すべきなのだが…) どんなに楽観主義的に考えよう…

親鸞を「引き倒すな」

親鸞とその「教え」、思想…を語る本や人はあいかわらず多いが、最近、どうにも魅力的でない親鸞ばかりが目立つ気がする。単なるテキストであるならばそう書けばいいのだ。 もっと魅力的に描けないのか。 そんな親鸞のどこがいい、と思って書いているのか? …

戸次公正の葬式必要論

戸次(べっき)公正の文章や講話には何度か接してきた。私なりに畏敬する人である。 彼に『意味不明でありがたいのか』という本がある。その著の中で「私の葬式必要論」というのがある。とりたてて珍しい論があるわけではない小論だが、まあ言いたいことはわ…

ほんとうに葬式はいらないか?

『葬式は要らない』のか 島田祐巳の『葬式は要らない』は2010年の初頭に出版されたらしい。私はいままで読まずにきた。 書かれていることは、葬式が必要か不要かという論議よりも、高い費用をかけた葬式への、人々の不満やそれを誘導する仏教界とか業者への…

葬式のこととか、法名のこととか

島田裕巳『戒名は、自分で決める』 島田裕巳が『葬式は、要らない』を書き、発表したころ、「孤独死」問題や、ちょうどNHKの『無縁社会』と時期が重なって、島田の本も多く読まれたらしい。 こんなふうに書いている。「ただ、果たして、たった一人で人知れず…

生きること、死ぬこと

無縁社会とは?

『[無縁社会]ー“無縁死”三万二千人の衝撃』NHK取材班 NHK取材班著『無縁社会ー“無縁死”三万二千人の衝撃』を読んだ。無縁社会とは編集家族、地域、会社などにおける人とのきずなが薄れ、孤立する人が増えている社会のこと。 現代社会のこうした一側面を、NHK…

東日本大震災からの復興

ちょっと「怖い」絆 未曾有の大震災、大津波そして福島原発事故では、大きなショックを与えられた。 さまざまな報道、情報の中で、私は強い危惧というか違和感を持つことがある。 とくに、乱発される「キーワード」の中の「絆」ということば。 これに批判的…

教団の<改革>その前提

『今、ここに生きる仏教』を読んで(その1) . 本著(対談集)の第1章「『説く仏教』から『聞く仏教へ』」をまず読んだところ。 いままでの大谷光真氏の図書よりも読みやすい感じはあるが、私が、知的な作業がしんどい状態でなかなかすすまない。 大谷氏に…

自力と他力

「他力」とは? 「他力」ということばは、しばしば仏教用語としてではなく、日常語として使われ、大きな誤解を生んできた。 ここに、親鸞を開祖とする真宗教団の本山トップである人が、次のような発言をしている(と報道されている)。 *朝日新聞 2010.12.1…