2010-01-01から1年間の記事一覧

自殺者数に思う

円グラフを見ていて思う。 80歳以上が7.3%。これは多いんじゃあなかろうか。 長生きしても、そんなに先は長くない。なのに、自殺するしかないなんて。けっこう絶望が深いと思う。 どの世代も深刻だけれど、60歳代〜80歳代以上を合計すると、 18…

2009年の自殺統計

助けて!と言える

あなたは 「助けて!と言える」 状況にいますか? このまえTVで菅野美穂が主演したドラマ「曲げられない女」をちょくちょく視た。 いちばん印象に残ったのは彼女が親友たちに「助けて!」と生まれて初めて言った場面だった。 わたしたちは、「助けて!」と言…

Good Luck! 「頑張って」じゃあなく

中井久夫の『隣の病い』が今年2010年3月に文庫本になった。 さっそく取り寄せて読むのだが、私にはむつかしい(ものが多い)。 その中に、ほっとするような一文があった。 「頑張れ」と「グッドラック」。 わずか2頁なので、コピーして紹介する。 . 注…

目線、まなざし

中井久夫『樹をみつめて』の最後の数行はとても示唆的だ。 ≪医学は人体を宇宙の中心に据えた天動説生物学になりがちである。…医学だけではない。自国からしかものが見えない傾向が強まっているのも天動説復帰であろう。時には植物の側から眺めると見えてくる…

モラル・トリートメント(社会的治療)とクェーカー教徒

このことについて、少し引用を追加する必要がある。 中井久夫は「神谷美恵子さんの「人と読書」をめぐって」(『樹をみつめて』所収)に次のように書いた。 ≪…クェーカーが英米において大きな力を持つのは精神医療の世界である。特に18世紀後半の英国で開…

サンガとかアジールとか

. 中井久夫は「宗教と精神医学」の終わりの方に、 . 「宗教家に私が期待する第1は、社会に寛容と助け合いの精神を広めてくださり、差別的なものの見方を訂正して(誰でも病になりうることは精神病でも変わらない)、社会の「精神医療温度」を二度でも三度で…

医学と呪術と宗教と

. 中井久夫『精神科医がものを書くとき』(2) (承前) 先に触れた中井の本書に、これまた短章だが「宗教と精神医学」(初出1995年)がある。 この論考は、実際ある「宗教家からの質問」に答えて書かれたらしい。 . 宗教と精神医学という問題は、現実…

『精神科医がものを書くとき』中井久夫著を読みかじる

文庫本になった『精神科医がものを書くとき』を読んでいる。 もはや、勉強などはできもしないしする気もないので、いわば(自己)臨床的な関心で読む。 本書は、1980年から1994年に書かれた短い文章を集めたもの。 そのうち、今のところ次の短章に強…