2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

目線、まなざし

中井久夫『樹をみつめて』の最後の数行はとても示唆的だ。 ≪医学は人体を宇宙の中心に据えた天動説生物学になりがちである。…医学だけではない。自国からしかものが見えない傾向が強まっているのも天動説復帰であろう。時には植物の側から眺めると見えてくる…

モラル・トリートメント(社会的治療)とクェーカー教徒

このことについて、少し引用を追加する必要がある。 中井久夫は「神谷美恵子さんの「人と読書」をめぐって」(『樹をみつめて』所収)に次のように書いた。 ≪…クェーカーが英米において大きな力を持つのは精神医療の世界である。特に18世紀後半の英国で開…

サンガとかアジールとか

. 中井久夫は「宗教と精神医学」の終わりの方に、 . 「宗教家に私が期待する第1は、社会に寛容と助け合いの精神を広めてくださり、差別的なものの見方を訂正して(誰でも病になりうることは精神病でも変わらない)、社会の「精神医療温度」を二度でも三度で…