誇れるほど「ほどほど」でもないが

 石田衣良が、インタヴューでこんなことを言っている。

 傍線部分の中で、「損を誇れる人間に」という箇所は悪くない。
 損をして「誇る」のも大げさだが、いつも「損をしたくない」→「得をしたい」という生き方をしていると、なんや「金のために生きとるんかい」!みたいになって、それで終わり…ということになりがちだ。短い人生、これではなさけない。「ほどほど」なら御の字、と思えるのがいちばんいい。
 だが、それほど人生甘くない。
 落ち始めたらとことん落ちる。そこでセーフティネットがしっかりしていなければいけない。これを制度設計=福祉という。
 ただのめぐりあわせを「自己責任」にしてしまう。そういう今の考え方の押しつけはよくない。
 そこで価値観の変革=制度の変革が必要になるのだが、これを利用する輩がいるので困る。
 では、どうするか。思想として自立する。
 自己の普遍性と尊厳を守る。